2022年1月28日金曜日

クリーニング屋さんの名残(なごり) ~ 袴の畳み方


 お世話になっていたクリーニング屋さんが店仕舞いされた。機械買い替えの時期と 年齢的なものもが重なったらしい。
 若いころ脱サラしてクリーニング屋さんを始められた。クリーニング屋の経験などない。だから 伝手(つて)を頼って教えてもらいながら 自分の店を開いたらしい。なんと大胆な。しかし、技術の肝心なところは教えてもらえなかったので、見て覚えたそうだ。幸運だったのは、奥さんが口上手で注文をたくさん取ってきたことだと笑う。近年はコロナ禍で お客のお出かけが無いのでクリーニング店はさほど必要とされないが、当時はバブル期、やれ入学式、結婚式、パーティーだとシーズンになれば 出来ないくらいの注文があったらしい。道を歩くと注文されるので 「出来ません」と逃げて帰っていたそうだ。
 気さくなご夫婦。信頼できるお店を紹介しての店仕舞いなので、後のことは問題ない。だが、信頼できる馴染みのクリーニング屋さんの店仕舞いは、やっぱり寂しい。こころは、今日も大吉!

 余談 ~ 普段着の袴は、自宅で女房殿が洗濯する。最近、袴の紐が組紐みたいに畳んである。「えらい上品やなあ」と女房殿に言うと「店仕舞いするというので、ご主人さんに教わったのよ」。やっぱり気さくなご主人やなあ。袴の畳み方が、クリーニング屋さんの「名残(なごり)」になった。

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