2020年3月29日日曜日

脚本の力 ~ 橋本忍『複眼の映像』


 脚本家、橋本忍さんの『複眼の映像 ~ 私と黒沢明』を読んだ。橋本さんは、映画「七人の侍」「羅生門」、「砂の器」「八甲田山」などヒット作の脚本を書いている。橋本さんに興味を持ったのは、以前、山陽新聞で連載されていた橋本さんの記事を読んでだ。同じような内容を、NHKスペシャルでも観た。脚本は、映画の設計図。とにかく、良いシナリオじゃないと、良い映画はできないという信念があられる。読んでみて、確かにそのように思える。
 表題の「複眼」というのは、一つの脚本を数人による共同作成の譬え。黒沢明さんを中心に橋本忍、小國英雄、菊島隆三。そうそうたるメンバーで、練り上げていく。そこに、黒沢映画の凄さがあったという。脚本を書くとは どういうものか、黒沢映画の盛衰など、興味深かった。こころは、今日も大吉!

2020年3月26日木曜日

本堂床下修繕


 本堂濡縁の床下柱の横木を差し替えました。写真、柱の間に通している板がそれです。檀家さんと一緒に、なんだかんだと一日がかりでした。「ふぅ ~ 」、 やっと終わりました。素人の割には、上手いこと出来ました。こころは、今日も大吉!

2020年3月24日火曜日

恨めしい新型コロナウイルス ~ 境内の桜、開花


 お寺の桜がちらほら咲き始めました。例年、お寺の境内で檀家さんたちとお弁当を開いて、花見をしています。今年も、檀家さんのおばちゃん連中が、花見を楽しみにしているようです。「今年は、新型コロナウイルス影響の為、中止します」と伝えれば、皆、納得してくれるでしょう。でも、おばちゃんたちの楽しみにしている気持ちと現実との板挟みで、なんだか切なくなってきます。
 4月に「きよね認定子ども園」の年長組を招いての『子ども花祭り』は、すでに中止を決定し、その旨、園に連絡済です。園児たちが楽しみにしているとは思いませんが、せっかくのお寺と子供たちの触れ合いが無くなるのは、すごく残念です。5月の『大覚さまの大祭』もどういう形にするか、今、思案中です。 新型コロナウイルス、恨めしいです。こころは、今日も大吉!

2020年3月23日月曜日

「彼岸中、一善」の力 ~ 彼岸明け


 「お墓を作るより 生きている間に人の為に尽くして 功徳を積むことを忘れてはならない」(『仏教百話』増谷文雄)
 今の時代、永代供養、墓じまい、エンディングノート、、、、などが流行りだ。でも、死んで、何処へ、どうやって往くか? 考えていないんだよなあ。今日は、彼岸明け、お彼岸最終日。「彼岸中、一善」。まだ間に合う。こころは、今日も大吉!

 ※ 永代墓『大覚廟』に納骨されている仏さんに、お彼岸のお経をあげる。

2020年3月22日日曜日

春だと云うのに ~ 境内に咲く花


 お寺のサクラの開花はまだですが、境内には春の花があれこれ咲き始めています。ユキヤナギ、ミモザ、コブシなど可愛いものです。
 新型コロナウイルス感染拡大の重い空気を和らげてくれます。こころは今日も大吉!
 

2020年3月18日水曜日

良い加減を知り、保ちなさい ~ ヤマアラシのジレンマ


 時には、女房殿と険悪ムードになることもあります。でも、いつの間にか仲直りしています。お互いに気ごころを知っているからでしょう。
 『ヤマアラシのジレンマ』という心理学用語があります。「ヤマアラシ2匹が、寒い中で寄り添って 身体を温めようとします。近づき過ぎると相手の針が刺さって痛い。離れると痛くはないが寒い。近づくと寒くはないが痛い。2匹は、近づいたり離れたりを繰り返しながら、やがて 痛くも寒くもない  程よい距離を見つける」という譬え話です。人間関係は、傷つけ合ったり 助け合ったりして、ちょうど良い距離が出来るということでしょう。
17日よりお彼岸に入りました。20日(金)が「春分の日」「お彼岸の中日」です。昼と夜の時間が同じことから、お釈迦様の教え「中道」と結びついています。琴は、弦が緩いと音が鳴りません。逆に張りすぎると弦が切れます。ちょうど良い張り具合が、美しい音色を出します。同じように、「中道」とは「ちょうど良い加減を知り、それを保ちなさい」という教えです。 「ヤマアラシのジレンマ」は、人間関係における『中道』の教えのような気がします。こころは、今日も大吉!

2020年3月16日月曜日

太秦・東映撮影所の栄枯盛衰 ~ 『あかん やつら』


 春日太一さんの『あかん やつら(東映 京都撮影所 血風録) 』を読んだ。京都・太秦にある東映撮影所の70年間の歴史物語。著者の取材によるエピソードで構成されている。撮影所生残りの為、映画量産、薄利多売を実践し、題材も時代劇、任侠映画、実録やくざ映画、文化大作など路線を時代に合わせて変更していく。必死さが伝わってくる。 
 ラジオ番組「武田鉄矢の今朝の三枚おろし」で紹介された本。武田さんの話が面白かったので、図書館から借りて読んだ。太秦・東映撮影所の栄枯盛衰を知ったところで、私の生活が何か変わることはない。雑学である。しかし、そういう世界を覘くことも、また面白い。「網走番外地」「仁義なき戦い」「日本の首領」「柳生一族の陰謀」、千葉真一の空手映画など、懐かしかった。こころは、今日も大吉!

2020年3月15日日曜日

こころ癒された ~ 合掌する動物のフィギア


 お彼岸は、17日(火)から。少し早いが、今日から お彼岸のお経回りを始めた。写真は、今日 伺った檀家さんの仏壇。
 実に面白い。合掌した動物のフュギアが仏壇に並んでいた。しかも、皆、仏さんの方に向けてある。その家の仏さんを拝んでいるように見える。その発想が、面白い。合掌する動物の可愛らしさと信仰の趣がマッチして、実に面白い。お経をあげながら、心が癒された。こころは、今日も大吉!

※ 動物のフュギアは、「ガチャガチャ」の「合掌シリーズ」らしい。合掌姿が美しい。目の表情が良い。2体もらってきた。
 檀家さんの仏壇には、実際、適当数のフュギアがスッキリとスマートに並んでいた。センスあり。ゴチャゴチャになったが、写真の為、全員集合してもらった。

2020年3月13日金曜日

改修 ~ 本堂床柱


最近は、改修作業ばかり。本堂の床下柱に基礎石を据えた。痛んでいた5ヶ所。ジャッキで上げて、柱の下部を切り取って石を据える。檀家さんと作業。1年前に同じ作業をした。今回、第2弾。要領は得ている。檀家さんも手際がよい。後日、柱間の横板を取り付け予定。なんでも、少しずつ少しずつ。
 手を入れれば入れるだけ良くなる。今更ながら分かってきた。こころは、今日も大吉!

2020年3月12日木曜日

くわばらくわばら ~ 映画『蜘蛛巣城』


 黒澤明監督の『蜘蛛巣城』を観た。音声が割れて聴きづらいところがあったが、オモシロイと思った。主人公(三船敏郎)は、「もののけ」の予言に翻弄され、主君である蜘蛛巣城の主を殺害して自ら城主になる。そもそも、蜘蛛巣城は、家臣が城主を殺害して城主となった「いわく付き」のお城。そして、自分自身も、家臣たちに嵐のような弓矢を受けて殺される。「いわく付き」から逃れられず、悪業を犯し、その報いに怯える。原案はシェークスピアの『マクベス』だそうだが、中心題材は仏教で云う「因縁」のように思える。悪業の因縁から逃れられない運命。物語ではあるが、因縁の怖さと人間の愚かさを感じた。くわばら くわばら。こころは、今日も大吉!

2020年3月11日水曜日

坊さんの本分、「給仕第一」 ~ 襖張り替え完了


 本襖の張り替えが、出来上がりました。パンとしています。次は板襖の張り替え。次の雨の日にと思っています。
 襖張り替えも 業者に頼んで、お金で済むことでしょう。しかしながら、自分でやると、仏様へのご給仕、また、お寺を維持していくこと(護寺山門)を僅ながらも実感できます。「給仕第一」、有り難し、有り難し。こころは、今日も大吉!

2020年3月10日火曜日

話半分の冗談話し ~ さい銭箱の中身


 いつも本堂前でお参りする人に、「貧乏寺やから、たまにはお賽銭入れてやあ!」と言うと、「いつも勤読中だから、チャリーンという音は お勤めの邪魔だと思い、遠慮しているんです」と返答された。「チャリーンというのは、小銭だろう。折り畳みが可能な音がしないやつもありますがあ。それだったら、お勤めの邪魔にはならん。それに、お賽銭は貧乏寺ほど功徳があるんだぞ!」。話半分の冗談話しである。それでも、お賽銭は遠慮なく入れて構いません。特に折り畳み可能なやつがいい。こころは、今日も大吉!

 余談 ~ 最近は、キャッシュレス化が進み、小銭を持ち歩く人が減ってきているようだ。お賽銭箱に影響はあるのだろうか?などと、つまらぬ考えが頭に浮かぶ。

2020年3月9日月曜日

浪人の傘張りと同じか? ~ 襖張り問答


 襖の張り替えをした。写真は、襖の上の糊を付けた襖紙をブラシで空気を抜きながら伸ばしているところ。しわや緩みは、問題なし。乾くとパンと張る。

 以下問答。ブログファン尋ねて曰く、「しかし、なんですねえ。住職だから、葬式とか法事とか、もっと他にすることがありそうだけれど、、、何だか江戸時代の浪人が、生活の為に傘張りの内職をしているみたい」。「アハハ!これも立派な坊さんの修行なんですよ。他人様に安心(あんじん)を与える葬儀や法事も大事な仕事ですが、作務(さむ)、作業(さごう)も自分の心を整えたり、心を鍛錬したり、何かを気づかせたりする大切な修行なのです。作業ではなく修行なのです」「それじゃ、今回、襖を張り替えて、何か悟りが開けたり、人生が変わったりしたんですか?」「そんなことは、ありません。でも、ボロボロの襖がパンと新しくなったでしょう。襖が輝きました。見てて気持ちいい。清々しい。見るものによって、心が変わることに気づかされます。身の回りのものをきれいに整え、常に心が清々しくありたいものです。だから、掃除という修行があるのではないでしょうか。襖張りしかり。日々の精進によって、少しずつ悟りに近づくと考えます」「そういうものかなあ」「修行、修行!」こころは、今日も大吉!

2020年3月8日日曜日

生活は体形に出る ~ 山藤章二さんのユーモア


 ビルの窓ガラスや姿見鏡に写った 自分の体形にビックリします。否、情けなくなります。食べすぎと運動不足です。何?「それだけではない」、と。
 「生活は 体形に出る。本音は 仕草に出る。感情は 声に出る」
 だらしない生活が、体形に もろ出ています。嗚呼!、、、こころは、今日も大吉!

 ※ 絵は、山藤章二さんの絵を模写したものです。トレース(透かし写し)ではありません。以前、練習で模写したものです。絵のガンジーさんが読んでいる本に、山藤さんのユーモアセンスを感じます。敬意を表します。
 

2020年3月7日土曜日

おザイモクはありがたい ~ 大覚寺御用達 木材店


 本堂の濡れ縁の床下柱をきれいにしようと材木を加工しています。柱と柱の渡しが痛んでいるので交換です。既成の材木では、柱の通り穴に板幅が合いません。穴に合わせて板2枚をボンドとビスとで合体させています。

木材屋さんが近くにあると便利です。木材の長さ、幅、厚さなどを指定して注文していると、きちっと仕上げてくれます。軽トラックを借りて寺まで運びます。大覚寺御用達。うちは、小口お得意さんです。
 ここの親父さんは、檀家の兄妹で法事などで顔を合わせます。もちろん商売ですから、特別に便宜を図ってもらってるわけではありませんが、気軽に頼めます。

 塗料を塗るまで出来ました。あとは檀家さんとスケジュールを併せて取り付け作業です。今日は、本堂へ上がる靴脱履用の敷板と講談師用の前机を作る予定です。お寺がきれいになる。おザイモクはありがたい。。こころは、今日も大吉!

2020年3月6日金曜日

Do it yourself! ~ 襖張り替え、七つ道具


 襖の張り替えの作業に取り掛かった。本襖3枚。それと規格より大きい板襖4枚。執務室 兼物置部屋 兼 控室に使っている多目的ルームの襖。客間であれば業者に頼むのであるが、寺族以外立ち入らない部屋なので自分でやっても問題ない。本襖の張り替えは経験がある。障子の張り替えとそう変わらない。出来上がりは、それほど遜色ないと思っている。板襖(内部が骨組みでなく、ベニヤ板)は、やったことがない。しかも規格外の大きさ。ちょっと心配。
 昨日は、本襖の枠を外して襖紙を剥ぐまで。こういう根気作業は急がぬに限る。気分に従ってボチボチやることにする。こころは、今日も大吉!

 ※ 今日は、御用達の木材屋さんに加工注文していてた材木を取りに行き、さらにお寺で加工予定。写真は、襖張り替えの七つ道具。

2020年3月5日木曜日

お彼岸を告げる花 ~ お寺の霊園に咲く沈丁花


 お寺の霊園に沈丁花が咲いています。山際の一番奥にあり、陽を十分に受けていないためでしょうか、よそ様より開き具合が遅いようです。それでも、満開になる頃には辺り一面、沈香に似た香りを放ちます。この花を観、香りを感じると、「もうすぐお彼岸だなあ。季節が移るんだなあ」と思うわけです。季節を告げる花、沈丁花。こころは、今日も大吉!

2020年3月3日火曜日

顔にあたる風が暖かい ~ 今月は、お彼岸


 暖かい一日でした。やっぱり、暖かい方が仕事が捗ります。やる気が出ます。今月は、お彼岸。忙しくなるぞォ~!こころは、今日も大吉!
 
 写真は、女房殿と近所を散歩中。見慣れた早春の風景ではあるが、今年は、気分がどこか違う。なんだろう?

2020年3月2日月曜日

程よい労働だった ~ 芝張り作業


 「きよねふれあい広場」の芝張りの手伝いをした。夢てらす関係。昨夏に続き2回目。今回は、900枚。実質700枚。作業は10名余り。晴天の下、程よい労働だった。
 3月になった。大覚寺の方も、寺内整備再開します。先ずは、襖の張り替え予定。もちろん自力。こころは、今日も大吉!

2020年3月1日日曜日

見ているだけで嬉しい ~ カボチャの芽


 芽が、出た!自作の備前焼植え木鉢にカボチャの種を植えておいたものだ。「仏種」とか「善因善果、悪因悪果」など仏様の教えもあるが、ただ見ているだけで楽しい。ただただ、嬉しい。こころは、今日も大吉!