2022年2月10日木曜日

落語『鰍沢(かじかざわ)』〜オブラート護符(ごふ)


    落語の形態の一つに「三題噺」があるようだ。「三題噺」とは、寄席を演じる際に観客に適当な言葉、題目を出させ、出された題目3つを折り込んで即興で演じる落語。三題噺で有名なのが『鰍沢(かじかざわ)』。出された題は、「鉄砲」「卵酒」「毒消しの護符(ごふ)」。
     あらすじは、こうだ。旅人は、身延山参り出かけ、雪道に迷う。山中の一軒家に宿を請うが、昔馴染みの女がいて、痺れ薬入りの卵酒を飲まされる。危うい所、毒消しの護符を飲むと不思議に効き、逃げ出す。今度は、女に鉄砲で追いかけられるが、間一髪、バラバラになた筏の材木に掴まって命拾いをする噺。好きな落語の一つである 。
    昨日、コロナワクチンを打った。万が一、熱が出たり体調が悪くなったりした時に服用しようと思い、祈祷を施したオブラート護符を用意した。もちろん薬ではない。あくまで信仰の力によって不調を回復させるもの。日蓮宗では「秘妙符」ともいう。落語にも出てくるように古来からあり、有り難がれている。幸にして、今回、護符を服用せずともよかったが、こころ強かった。
    それにしても、落語『鰍沢』のオチ、「この大難を逃れたのも、日蓮聖人のご利益。お材木で助かった。おオザイモクは有り難い。お題目は有り難い」なんとも絶妙なオチである。こころは、今日も大吉!

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