2021年3月16日火曜日

門出を拍手で送り出すように ~ 早い桜の開花

 今回の長崎県への帰郷の話は、発端からいうと3年前、足掛け4年前からの話です。当初、話を伺った時、どう対処していいか分かりませんでした。帰郷したいという気持ちはありましたが、それなりの状況が整わなければ出来ない難しい話でした。▶ 一つは、大覚寺を継いでくれるお上人が現れること。これは、絶対条件です。他寺の住職が兼務ということも考えられます。実際、兼務できる住職さんは見つかりそうです。しかしながら、兼務となると、大覚寺が廃れてしまいそうで嫌です。檀家さんのことやお寺のことを考えると、出来ません。▶ もう一つは、檀家さんが、住職の私が寺を移ることを許してくれるかでした。「ちゃんとした後継ぎを見つければ大丈夫。それに、立派なお寺に行くということになれば、喜んでもらえるさ。大丈夫」と諭されました。しかし、そこは人情。「お上人、お上人、、、」と信頼され慕われている中で「佐世保のお寺に、帰ります」とは、云い辛いものです。なんだか、懸命に支えてくれた檀家さんたちを裏切るような気がしてなりませんでした。私も檀家さんたちが大好きだっただけに、正直、言い出すのが辛かったです。▶ 昨年の正月、思い切って 総代さんたちに相談しました。事情をあれこれ説明して、お願いしました。突然の話で、全員、開いた口が塞がらない状態。「何と返答していいか、言葉が見つかりません」が、大方の感想でした。ショックを受けられたようです。あとで、総代さんたちだけで 話し合われたのでしょう。次の日、「お上人も、お寺の為、檀家さんの為に一生懸命 尽くしてくれました。お上人に、これ以上 ここで頑張ってくれとは言えません。お上人の一番いい形、ご夫婦が幸せな形を望み願います。私たちは、今以上 大覚寺のことに励みます。お上人を拍手をもって送り出したいと思います」という話をされました。正直、有り難くて 涙が出ました。かくして、檀家さんのお許しを頂き、且つ 後継住職が見つかり、ことがなろうとしています。
 今朝、本堂脇の桜の花(ソメイヨシノ)が、数輪咲いていました。まだ彼岸前です。今年は、開花が早いです。今月の末、私たちが出発する日、境内の桜が満開であればいいなあと思うのであります。あたかも 私たちの門出を拍手で送り出すように。こころは、今日も大吉!

 追記 ~ これを書きながら 、檀家さんたちの親切が 有難くて 有り難くて、涙が出ています。嗚呼、涙もろい。

3 件のコメント:

  1. 人間万事塞翁が馬 淡々と生きてくってどんな生き方なんですかね
    何だか切ないな~ お上人の法体健全・法令長久を願って止みません
    by 酒天童子

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  2. 悲喜こもごも・・・・。
    寒い冬が終わり、なんだか嬉しい季節のはずなのに、別れの季節でもあります。さみしいです。
    昨年5月以降お世話になり、私たちの最期もお上人に・・と心安心でありましたが、「今がいつまでもない。」ということですね。
    真っ直ぐなお上人のお姿。作業されている姿、夫と少しダブりますが(*^-^*)、お元気でお過しくださいね。
    (LEDの交換の写真のスタンプ・・楽しみました)
    ありがとうございました。     

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    1.  ありがとうございます。短い期間ではありましたが、ご家族様にお会いできて良かったです。今後は、佐世保の地で、笑顔で頑張っている姿をお見せいたします。

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