2017年9月6日水曜日

脚本の力 ~ 『砂の器』、映画と小説


 今までの日本映画で何が良かったか?を挙げるならば、『砂の器』。野村芳太郎監督で刑事役が丹波哲郎、犯人役が加藤剛の映画。親子が流浪の旅をするシーンは、見ていて止めどもなく涙が溢れた。
 この度、原作を読んでみた。終盤に犯行の動機と経緯が明らかにされるのだが、淡々として哀しくない。普通、映画より原作が面白いのに、『砂の器』は映画が断然よかった。情けがこみ上げてくる。脚本が、橋本忍と山田洋二。この二人の脚本家の力が、大なのだろう。脚本の大事さと力を知った。


 それにしても、哀しい物語を聴いたり見たりすると、どうして情け涙がこみ上げてくるのだろう? きっと、私たちの身体の中に仏さまが住んでいるに違いない。こころは、今日も大吉!

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