勝子さんの祥月命日のお経をあげました。施主はご主人さんです。勝子さんは、お坊さんではありませんが、昔、本興寺で一緒に修行した仲間です。
私が弟子入りした師範、故・日鵬上人の本興寺は、変わったお寺でした。もちろん葬式や法事もするお寺ですが、ご祈祷のお寺でした。そればかりでなく、精神的な病気など、そのままでは社会で通じないような人たちを預かって、信仰と団体生活によって社会復帰させようとしていたお寺でした。お題目を唱え、ご祈祷を受け、程度がいい人が悪い人を世話しながら寺の手伝いをして日常生活を過ごしていました。多いときは僧侶も含め数十人がお寺で生活していました。全部が全部とは言いませんが、多くの人が社会へと復帰していきました。私を刺した男もそうだし、勝子さんもそのひとりです。
勝子さんは、お寺の1階にある保育園で給食の仕事をしていました。お寺から通っていました。勝子さんが自立できるようにと、資格を取らせての日鵬上人の計らいだったと思います。その後、結婚して家を建てられました。幸せに暮らされていたのに残念でした。女房殿も同じ保育園で保育士をしていました。2人は仲のいい友達でした。
今日は、住職に代わってもらい お寺の本堂で私が勝子さんのお経をあげさせてもらいました。女房殿は後ろで掌を合わせました。ご供養して安心(あんじん)を得るのは、両親や連れ添い、子どもなど肉親への供養ばかりではありませんね。勝子さんにお経をあげて、清々しい気持ちになりました。こころは、今日も大吉!
写真は、住職が勝子さんの為に供えたお花。尚、現在、本興寺では 人は預かっておりません。