作務衣の襟の首回りが擦り切れた。デニム生地。女房殿に「デニム生地の古着を切って充て布をしてもらえればなあ」と話をしていた。1週間後、「はい」と作務衣を手渡された。女房殿の上着を切って充ててある。しかし、デニムはデニムでも黒っぽい。なんだか野良着の伏せみたいに見えた。貧乏っぽい。本興寺はお参りが多いお寺だから、人目が気になる。女房殿の親切は有り難いが、貧乏臭くて恥ずかしいなあと思い、しばらくの間、着ることが出来なかった。
しかし、女房殿の親切は立派な施しである。施しを無にしちゃいけないと思い直す。着ることを恥ずかしいと思う気持ちが、恥ずかしかった。今日、お寺で着ている。こころは、今日も大吉!