暑い日が続きます。暑い夜は、怪談話が付き物です。しかし、近年、テレビなどでもあまり見ませんね。幽霊なんぞ、清音に引っ越して来た当時は、時々、大覚寺にも現れていました。しかし、久しく、さっぱり現れません。毎朝 お経をあげているので、成仏されたのでしょう。それとも、引っ越しされたかな。ひと先ず一安心でございます。
昨夜遅く、女房殿が、「ねえねえ、ちょっと起きて。山門のところで、何か光って ゆらゆら揺れている。ちょっと怖い」。起きて目をこすりながらサッシ越しに覗くと、確かに いくつかの丸い光が横に並んでゆらゆら揺れている。火の玉のように見える。「も、もしかして 人魂(ひとだま)と違うか?」「ええ、、」。女房殿に鳥肌。腕をさすっている。お盆は過ぎた。お経をねんごろにあげて送り出したはずだ。帰らない精霊がいたのか? 「耳なし芳一」みたいに墨で身体にお経文を書きたくなった。怖くても寺の住職、恐る恐る「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、、、」とつぶやきながら外に出てみた。
なんだ脅かしやがる。よくよく見ると、山門に下げている御幣が光ってゆらゆら揺れていた。昨日、山門の蛍光灯をLEDライトに替えた。正確に言うと、切れていた蛍光灯が点くようになった。明暗感知式。暗くなると点灯する仕組み。ずっと切れていた蛍光灯が昨夜 点いて、5つの御幣が反射し光っていたのだ。しかも、風で揺れていた。遠くから見ると あたかも ゆらゆら揺れる人魂。幽霊の正体とは、こんなものだろう。
霊魂を信じるがゆえに、幽霊はやっぱり怖い。しかし、どこか心の片隅に、怖いもの見たさがあるのかもしれない。熱帯夜が続くこの夏、久々に涼しくなった夜だった。尚、山門の蛍光灯は点かないように細工した。こころは、今日も大吉!
余談 ~ 数年前に息子に誘われて稲川淳二さんの怪談話を聴きに行った。稲川さんの怪談話より、夜の本堂に上ることが よほど怖い。怪談話には興味がなかったが、息子が云うに、前回、聴きに行って「怖いより 泣けた!」という。稲川さんは、重い障害を持つ息子さんがいて、殺したいと思ったことがあるそうだ。だが、思い止まった。その話を聴きたかった。残念ながら、その話は聴けなかった。ひとはそれぞれ、いろんなものを背負っているんだなあ、と感じる。
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