大覚寺の山門を潜った左側に、大きなクスノキの株がある。私が、住職に就任した時、すでにその場所に大きなクスノキがそびえていた。しかも、その根っこが山門の壁を持ち上げていた。小さい木であれば、すぐにでも伐り倒したであろうが、大き過ぎた。素人に切れるはずがない。どうしていいか分からず 眺めているだけだった。月日と共に、段々、壁を持ち上げていったので、森林組合に依頼して伐ってもらうことにした。だが、切り落とした枝が 山門に落下したら大変。クレーン車が必要だという。「クレーン車を1軒で使うのは費用が高くつくから、もう1軒ほど使うところが現れたら、2か所 併せて切りましょう」となった。そうしているうちに また月日が経ち、ついに山門の壁の土が落ちて傾いた。しばらくして やっと、近所でクレーンを使うところが現れ、伐り倒すことが出来た。同時に、山門も きれいにした。10年ほど前の話です。
神社や寺院の境内で、大きなクスノキを観ることがある。中には、床下まで根が張っている。クスノキは、神社や寺院でご神木として崇められるところもあるようだ。伐るに伐られないのだろう。しかし、「木は、いずれ大きくなる」。クスノキなどは、横に根が張っていく。うちみたいに、そのうち建物を持ち上げるかもしれない。神社のクスノキの大木を見るたびに そういうことを想うのであります。こころは、今日も大吉!
※ 写真をクリックすると、拡大します。尚、クスノキ伐採に際し、ねんごろなお祓いを行っています。でも、このクスノキ、生えるところを間違えなければ、今ごろ、ご神木として崇められているかもしれないですね。
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