2019年9月4日水曜日

『知恩 報恩』 ~ 学生時代の恩


 先日、家族で伺った友人のお寺です。家族で伺うのは、2回目。
 学生の時の話。住んでいた下宿が取り壊しになり、行先に困りました。「下宿が見つかるまで」ということで、友人のお寺に住まわせてもらうことになりました。当初、2週間ほどの予定でした。しかし、鯛や鮃(ヒラメ)は泳いでいませんでしたが、私にとっては 竜宮城に思えました。実に居心地がよいのです。結局、半年もお世話になりました。友人の母親から「卒業するまで居ても構いませんよ」と優しく言われましたが、野生の血が騒ぎ、下宿生活に戻りました。それでも、金欠と腹が減った時は、フーテンの寅さんの如く しばしば転がり込んでは難をしのぎました。家族同様に優しくして戴きました。お陰様で、無事卒業でき、坊さんとなり住職となりました。ありがたいことです。今年、先代住職の第17回忌、奥様の第13回忌に当たります。

 『知恩 報恩』。私が その恩に報いるのは、何か出世することでも、経済的にお返しするすることでもないと思います。亡き先代住職夫妻が、私に望むものは、どういう状況であれ、坊さんとして元気に明るく生きていく姿であるように想えます。墓前にて、家族3人、掌(て)を合わせました。こころは、今日も大吉!

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