2020年9月13日日曜日

知らない社会の闇 ~ DVD『沈まぬ太陽』


  DVD『沈まぬ太陽』を観た。テレビドラマ版で全20話。DVD10枚。レンタルショップで借りた。山崎豊子さんの原作。社会ドラマ。否、人間ドラマでもある。映画版、渡辺謙 主演もあるが、3時間20分では、原作の文庫本 全5冊を表現することは難しいと思う。人間の感情や意識などの細かい描写が出来ないのではないだろうか。映画版は 随分前に観たが、印象に残っていない。
 日本航空と実在する社員をモデルとしたフィクションドラマ。経営陣対労働組合、旅客機の御巣鷹山墜落事故、利権にまつわる企業の腐敗、翻弄させる政治家たち。理想に生きる恩地(上川隆也)と出世を目指す行天(渡辺篤郎)の対比。どれもモデルを脚色した物語なのだろうが、日本航空がモデルということもあって、フィクションといえども「そういうことも  あるんだろうなあ」などと思ってしまう。
 全20話、長編で、興味深く見ごたえがあった。ただ、物語の結末で、悪い奴らは 東京地検特捜部に逮捕されるのだが、これでもかと叩き潰されることはない。半沢直樹みたいに「倍返し、三倍返し」の結末だったら、スッキリしただろうにと思う。だが、そこが山崎さんの表現かも知れない。悔しいけれど 社会のどろどろした闇の部分が 解決することなく存在している、という意味で。こころは、今日も大吉!

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