今朝、昔、私の左胸を刺身包丁で刺した男の供養をした。併せて「因縁懴悔 罪障消滅」を念じた。男の命日ではない。先日、納骨堂に上った時、男の遺骨が目に留まった。男は、仏縁あって本興寺で葬儀をされ、遺骨は納骨堂に納められている。
私は、刺された当初、男を怨みました。「許すもんか。坊さんを死ぬほど刺して、ロクなことあるもんか」と思っていました。しかし、時間が経つと気持ちが少しずつ変わってきました。刺すも刺されるも 何かの因縁。今世では、私が刺されたけれども、過去世に於いては、私の方が 男を刀で叩き切っていたかも知れません。どっちが先に傷つけたか分かりません。宿世の因縁かも知れません。今世において、その因縁を断ち切らないと、来世でまた繰り返すかもしれません。ずっと続くかも と考えました。
怨みは、自分も他人も破壊する強烈な負のエネルギーです。怨みは、連鎖反応です。怨めば怨み返される。また怨み返す。負のスパイラル。怨みの連鎖反応を断ち切るには、怨みを棄てなければなりません。でも、怨みという感情を抑えるのは、簡単なことではありません。断ち切るには「因縁消滅、罪障消滅」が必要と考えます。信仰しかありません。今まで、お盆、彼岸など折々に供養してきました。しかし、今回、直に男の遺骨をみて 胸中にトゲが刺さりました。これまた因縁でしょう。今朝、向き合ってお経をあげました。「因縁懺悔 罪障消滅」。
怨み、つらみ、無念、悔しさ、不安。ドロドロした中にも、明るく正しく生きていきたいと思います。
怨みをいだく人びとの中に 怨みなく住まんかな
怨みごころの人びとの中に つゆ怨みなく住まんかな(ブッダ)
精進したいと思います。こころは、今日も大吉!